シナバーは日本でも古くは弥生時代から古墳の内壁や石棺の彩色や壁画などに使用されていたことが確認されています。代表的な産地は特に三重県の丹生鉱山が有名でしたが、現在は閉山しています。その他奈良県、北海道、大分県、熊本県、徳島県などから産出されていますが、いずれも接触的な採掘は行われていないようです。 また西洋でも「バーミリオン」と呼ばれる油絵の具の原料として知られていますが、シナバーは希少価値の高い鉱物のため現在は別の合成材料が使用されています。 和名は辰砂(シンシャ)で、これは中国の辰州から多く産出されたことに由来しています。他にも「賢者の石」という異名を持っており、錬金術と深い関わりのある鉱物であったとされています。著名な小説「ハリー・ポッターと賢者の石」に登場する賢者の石の正体はシナバーであるといわれており、また中国では不老不死の妙薬であると信じられていました。 シナバーは「成功者の石」とも呼ばれ、ビジネスを成功に導くとされています。持ち主の創造力や直感力を高め、新しいアイデアやビジョンを得るサポートをしてくれるでしょう。また、金運や仕事運を高めるなど豊かさを引き寄せる効果があるとも言われています。ビジネスで成功したい人や、経営者や契約に携わる職業の人におすすめです。シナバーは癒やしの効果もあり、精神のバランスをとり、怒りや恐れといった感情を手放せるように導いてくれます。感情を落ち着かせ、どんなときでも自信を持って物事に取り組めるようになるでしょう。