オブシディアンは酸性の溶岩が急激に冷えてできた天然ガラスです。基本的には黒や灰色をしていますが、形成時に脱ガラス作用を起こして、黒地に白色の斑紋模様が見られるものを「スノーフレークオブシディアン」、酸化鉄の色が現れて全体的に赤茶色に変化した「マホガニーオブシディアン」、微小な気泡群によって光の反射が生じ、ピンクやゴールド、グリーン、イエローなど、様々な色のシーン効果が見られる「レインボーオブシディアン」などがあります。 この石はの断面が非常に鋭いことから、古来より矢じりや刃物の代用品として用いられていました。教科書で「黒曜石」という文字を目にしたことがある方も少なくないと思います。生活の道具として、戦いにおける武器として、また神の声を聞く道具として、世界中で様々に使われていたそうです。 オブシディアンには、すべての本質や未来を見通す力があると信じられていました。黒い石の表面に浮かぶ不思議な光景が未知なる物を連想させたのでしょう。古代の人々は、磨いたオブシディアンを鏡のように用いて、魔除けや占いなどの儀式に使ったと言われています。[/caption]